FIREとは
最近、巷でFIREという言葉をよく耳にするようになりました。
FIREとは「Financial Independence / Retire Early (経済的に自立した早期退職) 」の頭文字を意味しています。
この「FIRE」は、実現する目安として、年間支出の25倍の資産を築くことが挙げられています。
例えば一年間の支出が240万円(月額20万円)の場合、240万×25=6000万円の資産を築き、それを年利4%で運用すれば運用益で生活費をまかなえるという考え方。
理論上は資産を維持したまま生活できるということなのです。
20〜30代の若年層の間でもFIREを目指している人が増えてきたように思います。
ですが、まとまった資産を築くのって大変ですよね・・・。
お給料が右肩上がりの時代ならともかく、今はそういう時代ではない。
コロナ禍に入り、副業などにも取り組む人が増えてきたと思いますが、一般的には数千万単位の蓄財をするのは難しいと考える方が大半ではないかと思います。
完全なF.I.R.EではないサイドF.I.R.Eという考え方
では、まとまった資産が無いとFIREはできないのでしょうか?
ここで考えたいのが、完全なリタイアではない半分リタイア「サイドFIRE」という考え方です。
生活費の半分くらいを働いて稼ぎ、セミリタイアを目指すことを意味します。
え?早期リタイアしたくてFIRE目指しているのに、やっぱり働くの?と思いますか??
そうです。
働くのです。
でも、それは決して嫌な仕事をするのではありません。
自分のやりたい仕事、やりがいのある仕事で、必要最低限な額だけ稼ぐのです。
そもそもFIREしたいのはなぜでしょうか?
仕事のストレスが多い。
ゆっくり休みたい。
職場の人間関係に疲れた。
もっと遊ぶ時間が欲しい。
自分の時間を充実させたい。
これらの感情は、自分に合わない仕事・合わない人間関係の中にいることで生じることが大半です。
FIREはあくまでも手段。
その先にある自由な生活を手に入れることが目的のはずです。
自由な生活の中で、やりがいのある仕事で稼ぐことは、決して苦ではないはずですし、働くことで社会とのつながりを持つことが心身の健全にもつながります。
そもそも、仕事をまったくしない人生って、よっぽど遊び慣れている大金持ちでもない限り、3ヶ月もすれば飽きるのではないかと思うのです。
私の夫は、前職で体を壊しかけ、このままだとメンタルも壊れるのではないか・・・という段階まで来てサラリーマンを辞める決意をしました。
夫が仕事を辞めたいと言った時、私の頭の中にはFIREという概念はさらさらなく、当時まだ1歳だった子供を抱えて、この先どうしたら良いのだろうという不安の方が大きかったのは事実です。
結果的に今は心身ともに健康に戻り、夫はやりたかった仕事に専念、夫婦の老後、子供の将来を心配することもなくなりました。
先々の計画をほぼ立てることなく前職を辞めましたが、それがサイドFIREに繋がったと気づくのは、しばらくしてからのことでした。
莫大な資産が無くてもはじめられる質素系サイドFIRE
勤続20年で頂いた退職金は約700万円。
夫婦それぞれの預貯金を合わせると我が家の総資産は約2200万円。
不動産、株の配当金などの不労所得もありません。
先ほど例に上げた6000万円の約1/3の額しかありませんでしたが、ある日ふと気づいたのです。
あれ?
もしかしてサイドFIREの状況に入ることができたのではないか?ということに。
普通に預貯金を取り崩す生活だと10年で無くなってしまうくらいの資産を、自分たちの老後資金、子供の教育資金まで出すことができ、人生100年時代にうっかり100歳まで生きてしまった場合でも生計が立てられる計画が浮かび上がりました。
贅沢三昧な生活はできないけれど、小さく暮らしてサイドFIRE。
我が家の場合は「質素系サイドFIRE」と名付けたい。
莫大な金融資産を持たずとも、サイドFIREは可能だというお話を、これから少しずつ綴っていきたいと思っています。